ショートストーリー
明日への贈り物 Episode24
魔のイヤイヤ期に悩むママの焦りと孤独感
いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。
泣き止まない子と二人きり フードコートで困り果てた私
大勢の人で賑わう年末のショッピングモール。2歳の息子を連れてのお出かけはいつも大変。急いで買い物を済ませ、フードコートでお昼を食べさせようとやってきたが、些細なきっかけで火がついたように癇癪が始まってしまった。
「お願いだから言うこと聞いて。ね?」「ヤダー!ヤー!」ご飯を食べさせようとしただけなのに、地面に突っ伏して泣きわめいている。「たっくん。いい子だからちゃんと椅子に座ろうね」「ヤナノ!アッチイッテ!」どれぐらい時間が経っただろう。食事はすっかり冷めてるし、何度言っても彼はずっと地面にしゃがみ込んだままだ。
「もう!いい加減にして!ママ先に帰っちゃうよ!」つい声を荒げて強引に腕を引っ張ってしまった。余計に泣く我が子。私も涙が出てしまいそうだ。周りには楽しそうに食事をする家族やカップルで溢れかえっていた。息子と私だけを避けるように大勢の人が歩いて行く。意識をすればするほど、周りからの視線が気になって焦るばかり。
暫くして、ようやく落ち着いたのか、息子は椅子に座ってくれた。でも私はここから立てそうにない。そういえば、私が最後にゆっくり食事をしたのはいつだろう。
※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています