全国でも珍しい「道の駅併設」の納豆工場
下妻市を走る国道294号線沿いにある「道の駅しもつま」。実はこの道の駅、全国でも珍しい「納豆工場のある道の駅」なのです。ここで製造されているのは、下妻産の大豆を使用したしもつま納豆『福よ来い』。国道294号線を「294(ふくよ)」と読ませ、食べた人に幸福がやってくるようにとの思いを込めてつけられた名前です。元々「粘り強く」という意味で縁起物の納豆、観光客からもお土産として人気を集めています。
使用する原材料の大豆は100%下妻産。JAを通じて契約農家から仕入れる良質な大豆で作られた納豆は、納豆独特のにおいが少なく、大豆の味がそのまま感じられると、幅広い層の支持を集めています。パッケージには下妻市の観光名所・鬼怒ポピーラインを連想させるポピーの花や、市の花である菊の花をあしらい、見た目にも下妻らしさを楽しめるデザインになっています。
ひとつひとつ手作りなのも福よ来いの美味しさの秘訣です。
衛生管理の行き届いた工場の中では多くの人が働きます。
栄養満点!茨城を代表する郷土の味!
福よ来い納豆は、味や種類のバリエーションが豊富なのも魅力のひとつ。束ねた稲わらに入った『わらつと納豆』は、納豆の伝統的製法である藁苞(わらつと)を模したパッケージが特徴です。できあがった納豆をシートにくるみ、藁に入れているので、食べる時に納豆が藁につかず食べやすいと好評です。また、あらかじめ塩で味付けされた『塩きり納豆』という商品は、淡路島産の藻塩と青のりの風味が生きる看板商品となっています。そして大勢のお客さんが買い求める一番人気はやはり、切り干し大根と納豆を合わせた『そぼろ納豆』。茨城県の郷土料理として古くから愛され、その味は平成19年に農林水産省が選定した郷土料理百選にも選定されています。
「福よ来い納豆のそぼろ納豆は、切り干し大根の仕込みから手作りしているのが特徴です。切り干し大根は納豆によくなじむよう細かく刻み、特製タレに漬け込んでから納豆にまぶしています。食べた時の歯触りが良く、シャキッとした切り干し大根の食感も良いアクセントになっています」工場従業員の岩上さんは、製法のこだわりをそう話します。
近年では健康や美容にも効果が期待される納豆。納豆のネバネバから抽出・精製される「ナットウキナーゼ」という成分は、血栓溶解効果が期待されるほか、血圧降下作用や、血流促進作用など血を綺麗にしてくれる働きを多く持つ優秀な酵素といわれています。まさに納豆はスーパーフードなのです。
また、福よ来い納豆では、通常の大豆以外にも、黒豆を使った納豆『くろまめの塩切納豆』も製造しています。黒豆は肌を明るくする効果など、美容に役立つ成分が含まれるとして注
目を浴びている食材のひとつです。この『くろまめの塩切納豆』をはじめ、しもつま納豆『福よ来い』は東京都銀座にある茨城県のアンテナショップ「茨城マルシェ」でも販売され、人気を呼んでいます。
職人さんがふりかけているのが納豆菌の入ったお湯!
蒸しあがった豆を釡から掻き出し、すぐに納豆菌を混ぜ合わせます!
作り手のオススメ期間限定「変り種納豆」
わらつと納豆の包装の様子。
今回の取材に快く対応して頂いた、工場従業員の岩上さん!
食べるだけで体の中も外もキレイにしてくれる効果が期待できる納豆。もちろんそのままご飯と一緒に食べても美味しい納豆ですが、他の料理や素材との相性の良さもポイントです。
工場スタッフオススメの食べ方のひとつは、『キムチ納豆』。同じ発酵食品ゆえにでしょうか、キムチと納豆の相性はバツグン!ぜひ一度ご家庭にあるキムチと福よ来い納豆で試してみてください。実際に冬限定のオリジナル商品としても販売されているほどの美味しさです。
また、夏限定商品として『旨爽納豆』という一風変わった名前のものも。こちらは山形県の郷土料理「だし」をヒントに、下妻風にアレンジしたもので、地元野菜の和え物を納豆と混ぜてさっぱりといただく、旬が詰まったオリジナル商品です。
「下妻でとれた素材をふんだんに使って、一手間を大切に納豆を作っています。召し上がる皆様にも、地元を思いながら大切に召し上がっていただければ、私たちもとても嬉しく思います」そう話す岩上さん。下妻市でとれた大豆をそのまま地元で加工し、その工程も工場見学というかたちでオープンにする福よ来い納豆。裏のない思いがあるからこそ、それが消費者の心にも伝わり食卓にまで思いを届けることができるのではないでしょうか。
今年の節分は豆まきと共に、地元で生まれ育った福よ来い納豆を食べて、地元の恵みから福をいただきましょう!
バリエーション豊富な納豆の一方、伝統的な納豆も販売!
くろまめの塩切納豆は150g入って252円で販売中です。
しもつま納豆「福よ来い」ができるまで
1. 大豆を仕入れるJA経由で下妻市内の契約農家から仕入れる
2. 丁寧に水洗い工場内のパイプを伝って自動的に釡の中へ。
3. 丸1日水に浸す水を吸った大豆は約2.1倍の大きさに膨らむ。
4. 約1時間蒸し煮する50gパックに換算すると約900パック分の量を一度に。
5. 納豆菌を混ぜる蒸しあがった豆にじょうろで納豆菌をかけて混ぜる。
6. 発酵させる個装が済んだ納豆は、温度が50℃弱に保たれた室に丸1日置いて発酵させる。
7. 更に冷蔵で3日間熟成発酵のために入れた室は、時間が経つと自動的にタイマーが切れて徐々に温度が下がり、冷蔵に切り替わる。
しもつま納豆「福よ来い」のお問合せは…
しもつま納豆「福よ来い」は道の駅しもつまの農産物直売コーナー・物産館にてお買い求めできます。
〈 店舗情報 〉
◎住所/〒304-0016 茨城県下妻市数須140番地
◎電話番号/0296-30-5294 営業時間/9:00~18:00
☆詳しいお店情報はこちら
※他、イオンモール下妻や下妻市内のカスミの店舗、各直売所などでも販売中!
(※内容は2017年1月25日時点のものです)