ショートストーリー

明日への贈り物 Episode9

心を育む食事の場 こども食堂のやさしい日々

いばらきの子どもと子育てファミリーへある家族の物語をご紹介します。
この物語が誰かの救いや気づき、そして児童虐待防止につながることを願って。

「ごはん食べにおいで」地域でそっと見守る子どもの成長

Kくん兄弟が初めて「こども食堂」にやって来たのは今から5年前の春のこと。私たちが手探りでここを始めたばかりの頃だったと記憶している。
その日のメニューは具沢山のほかほかシチュー。二人ともお母さんとの外食がよほど嬉しかったのだろう。「ニンジンは嫌いだけど、このシチューだと美味しいね」まだ幼いKくんの弟も、そう言って得意げにシチューを平らげて見せた。
二人のお母さんは会社員として働きながら子どもを育てるシングルマザーだ。帰宅時間が遅く夕飯が子食(子どもだけで食べる食事)になりがちなのを気にしてこの食堂を訪れたと言う。それ以来、二人は学校が終わると息を弾ませながらやって来て、他の子どもや運営を手伝ってくれる大学生と遊ぶようになった。そしていつしか、年下の子の面倒も見られる“おにいさん”的存在にもなっていた。
家族三人で食卓を囲める日が増えると二人が食堂に来ることは徐々に減ったが、時折「ただいま」と、ひょっこり顔を出しては近況を話してくれる。Kくんはこの春、高校に進学するという。あの日の面影を残すKくんに元気を貰い、私たちは今日もここを訪れる子どもたちに料理を作る。

※取材した実例をもとに一部フィクションを加えています

虐待かなと思ったら児童相談所虐待対応ダイヤル189番へ子育てに悩んだら児童相談所相談専用ダイヤル0570-783-189
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